住宅ローンを組む際にまず「?」マークが浮かんだ、「元利均等」と「元金均等」の2つの返済方法。
それぞれどのような返済方法なんでしょうか?
そして、どちらがよりお得で、どんな人にオススメなんでしょうか?
我が家で住宅ローンを組んだ経験をもとに、調べてみました。
目次
元利均等と元金均等の違いは?
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。
漢字でややこしいのですが、違いは下記の通りです。
元利均等返済とは
読み方は「がんりきんとうへんさい」です。
「元金」と「利息」を合わせた合計(返済額のこと)が、均等ということです。
毎月ローン返済額が同じになる返済方法です。
最初は、返済額のうちの利息の割合が多いですが、だんだんと元金部分の割合が増えてきます。
・元金均等返済に比べて、返済し始めの返済額が低い。
※後ほど検証します
元金均等返済とは
一方、元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)とは、返済額のうち「元金」の部分が変わらない返済方法です。
毎月、ローン残高にかかる利息分を、固定された元金分に上乗せして支払います。
最初はローン残高も多いので利息が多く、返済額も多いです。
が、だんだん返済額が減っていきます。
・元利均等返済に比べて、元金の減りがはやいので、総返済額が少なくなる。(同じ借入金額の場合)
どちらがお得?比較検証してみました
では、元利均等返済と元金均等返済って、どっちがお得なんでしょうか?
実際に計算してみることにします。
まず計算のために、ざっと以下のような条件を仮定しました。
・借入金額 2000万円
・固定金利 1.2%
・借入期間 30年
※参考)カシオの生活や実務に役立つ計算サイトで計算しました。
元利均等返済 …毎月の返済額は同じ
まず、元利均等返済で計算した場合、月々の返済額や総返済額などは下記のようになりました。
元金均等返済 …毎月の元金支払額が同じ
次に、元金均等返済の場合。
まとめ
このように、元金均等返済の方が、22万円ほど利息が少なく、その分「総返済額」も少ないです。
なので、元金均等返済の方がお得、ということが分かりますね。
今回の条件よりも借入金額や金利などがもっと大きければ、この差もさらに大きくなります。
住宅ローン控除のことを考慮すると・・・
さて、このように、元金均等返済の方が「総返済額がすくない」ということをお伝えしましたが、もう一つ考慮しておきたいことがあります。
それが、【住宅ローン控除】 です。
住宅ローン控除とは、「ローン開始後10年の間、年末のローン残高の1%が所得税から控除される」という、ありがたーい制度です。
つまり、年末の時点で1000万円のローンが残っている場合、年末調整で10万円の所得税が返ってくる💛ということです。
(我が家は収入が少なくて9万円くらいしか返ってきませんが(笑))
「年末のローン残高で決まる」ということは、元金をガツガツ返していく「元金均等返済」は、控除額が減って損になるんじゃ・・・・?
と心配になったので、
元利均等返済と元金均等返済で、ローン控除額にどの程度差が出てくるのか計算することにしました。
固定条件は先ほどと同じです。
(借入金額2000万円、固定金利1.2%、借入金額30年、開始日2019年1月。)
【元利均等返済と元金均等返済のローン控除額】単位:円
元利均等返済 | 元金均等返済 | |||
ローン残高 | ローン控除分 | ローン残高 | ローン控除分 | |
1年目 | 19,442,764 | 194,428 | 19,388,895 | 193,889 |
2年目 | 18,926,060 | 189,261 | 18,722,235 | 187,222 |
3年目 | 18,355,866 | 183,559 | 18,055,575 | 180,556 |
4年目 | 17,778,793 | 177,788 | 17,388,915 | 173,889 |
5年目 | 17,194,754 | 171,948 | 16,722,255 | 167,223 |
6年目 | 16,603,669 | 166,037 | 16,055,595 | 160,556 |
7年目 | 16,005,452 | 160,055 | 15,388,935 | 153,889 |
8年目 | 15,400,018 | 154,000 | 14,722,275 | 147,223 |
9年目 | 14,787,278 | 147,873 | 14,055,615 | 140,556 |
10年目 | 14,167,144 | 141,671 | 13,388,955 | 133,890 |
合計 | 1,686,618円 | 1,638,893円 |
元利均等返済の場合は、「ローン控除制度」によって、10年間で約168万円戻ってきます。
一方、元金均等返済の場合は、約163万円戻ってきます。
なるほど、5万円ほど「元利均等返済」の方がお得になるんですね。
思っていたより、ローン控除制度による差は少ないようです。
なお、これは、最大限ローン控除を受けられた場合の結果です。
(我が家のように、ローン控除額より所得税が少なく控除しきれなかった場合は、その分、翌年の住民税より控除されるのですが、これには上限があるので、全額控除を受けられない場合もあります。)
結局、どちらがお得なの?
以上、計算した結果をまとめると下記の2点となりました。
・住宅ローン控除額を考慮しても、元金均等返済の方がお得
我が家はどちらのタイプ向け??
さて、お得なのは「元金均等返済」の方ということが分かりましたが、自分の家だとどちらのタイプが良いのでしょうか?
「どちらの返済方法が良いか」というのは総返済額を比べるだけでなく、各家庭のライフスタイルに合わせて選ぶ必要があります。
「我が家はどちらがオススメかな~?」と悩まれた際のポイントをまとめてみました!
元利均等返済がオススメな方
(奥さんが子育てのために退職して1馬力になる、夫が転職するなど)
元金均等返済がオススメな方
まとめ
元金均等返済の場合は、返済し始めのローン返済額が多いので、「今は子供が小さくて共働きできないし生活がカツカツだよ~」という方にはオススメできません。
そのような今現在の支出を抑えたい方は、「元利均等返済」の方が良いと思います。
一方、「すでに子供が自立して家計にゆとりがある」「共働きでお金はあるよ」という家庭でしたら、最初の返済額が多いけど、総返済額は少ない「元金均等返済」の方がオススメです。
ちなみに、我が家の場合は、1馬力でカツカツなので、「元利均等返済」にしています。笑
定年退職までに、ローンの負担を減らしておきたいな~という気持ちもあるのですが、ローンの繰上げ返済という方法もありますし、今無理をしなくても良いかなという考えです(笑)
ちなみに繰上げ返済は一度やってみたので、興味のある方はこちらの記事ものぞいてみてください↓
以上、今日は、元利均等返済と元金均等返済の違いについて、まとめてみました。
少しでも参考にしていただけると嬉しいです♪
最後まで読んでいたただき、ありがとうございました!
コメント